コントラバス販売専門店『ベースランド』ブログ

店舗や販売・修理サービスのお知らせや工房日記などを載せています。

開店記念セールに関しての開催期限と商品についてのお知らせ

5月のオープンよりご好評いただきました『開店記念セール』につきまして、8月末日に終了いたします。

 

購入を考えられているお客様はご連絡ください。

8月中にご予約いただいた場合は、9月まで特別価格が適用となりますので、この機会に是非ご検討ください。

 

\商品ページはこちらから/

https://www.bassland-oriente.com/cont2/18.html

 ※商品の仕様については【商品紹介⇒4弦コントラバス】のページをご確認ください。

 

なお現在、販売価格15万円のHB-25につきましては販売終了となっておりますのでご了承ください。

今回の対象商品はアウトレットや不良品ではなく、通常の販売商品と同等のものですのでご安心ください。

 

 

LINE公式アカウントの運用を開始しました。

こちらのLINE IDよりご登録ください。

↓↓↓

@618jhtxv

 

チャットを利用して直接お問い合わせいただけます。

24時間メッセージをお送りいただけますが、時間によっては返信が遅くなる場合がありますのでご了承ください。

 

また、セールやイベント情報、そのほかおすすめ商品の入荷などのお得情報を不定期に配信いたします。

 

是非ご利用ください。

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paypayを導入いたしました。

楽器の購入、修理のお支払い時に便利なpaypayを導入開始いたしました。

現金を持たなくてもお支払いが可能です。

 

支払金額に上限がありますので、一部の高額楽器のお支払には使えません。

また、分割支払いはできませんのであらかじめご了承ください。

 

お客様がお使いでのpaypayのアプリケーションの導入、支払につきましては店舗にてご説明いたします。

 

ぜひご利用ください!

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弓の毛替え始めました!

コントラバス弓の毛の交換修理の受付を開始いたしました。

 

価格は7500円(税込)

作業時間は最短で1時間ほどで承ります。

現在の取り扱いは白毛のみとなります。

 

コントラバス弓の毛は天然ものですので、時間とともに次第に劣化します。

毛の主成分であるケラチンなどのたんぱく質は分解され、芯がすかすかになった毛は松脂を保持できず、また伸びたり切れたりします。

 

演奏の際にひっかかりが弱い、松脂が粉になって楽器につく、切れて本数が少なくなってきたりしたら毛の交換の合図です。

目安としては半年~1年ほどで交換をしたほうが良いです。

 

コントラバスのほか、ヴァイオリン、ビオラ、チェロの交換もいたします。

また、革やラッピングのほつれ、そのほかさまざまな弓のトラブルにもご対応いたします。

お気軽にご相談ください。

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コントラバスという楽器について その3

こんにちわ

コントラバス販売専門店『ベースランド』の下川です。

 

今回はコントラバスの歴史について解説していきたいと思います。

 

コントラバスの成り立ち】

 

同じような弦楽器ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと同じ仲間だと思われがちですが、コントラバスは少し違っています。

前述の楽器がヴァイオリン属に属するのに対し、コントラバスヴィオラ・ダ・ガンバ属の最低音楽器『ヴィオローネ』から発展し、ヴィオール属に分類されます。

このヴィオローネは16世紀にヨーロッパで生まれ18世紀頃まで演奏されていました。

 

ヴィオローネの指板にはフレットがついていました。バロック期後半から今の形になっていきました。また19世紀に入ってからも弦の数が3~6本と定まっておらず、今のように4~5本となったのは20世紀初頭のことなのです。

 

この続きや追記についてはまた後日

コントラバスという楽器について その2

こんにちは

コントラバス販売専門店ベースランドの下川です。

 

今回はコントラバスの各部の名称と役割について解説をしていきたいと思います。

 

【ペグ(糸巻)】

 

コントラバスの糸巻はマシンヘッドという歯車の仕様になっています。ペグマシンなどとも呼びます。

コントラバスは弦の張力がとても強く全弦合わせて150kgほどもあります。そのためバイオリンなどと同様の木製ペグよりも強度をもたせるために真鍮やメタルスチールで作製します。また弦長がとても長いためにチューニングの際に巻く量が多いので、このようなギアを組み込んでいます。

しかし、中には一部に木製のパーツを使用したギアもあります。

 

湿気や手の汗、油分などにより腐食やさびが発生します。

さび止めやさび落とし、潤滑油などをつける必要がある場合もあります。

 

マシンには一体型のプレートタイプというものと一つ一つが独立したセパレートタイプがあります。

プレートタイプは二つのペグが合わさっているため、1つに不具合が起こると片面すべて交換となります。その点でセパレートタイプは調整がしやすいです。

見た目などもありますので、よく相談されてから決められるとよいと思います。

 

【ナット】

 

ペグで巻かれた弦が指板の上に伸びていく部分で弦の幅を決め、指板に付かないように高さを決めているパーツがナットです。

通常は強度や耐摩耗性を考慮して黒檀などの硬い木で作製されます。

製作者によって指板やネックの幅は人それぞれであるため、それに対して適正な弦の幅があります。

また演奏者の弦の押さえ方や手の大きさ、指の太さによってこの間隔を調整します。

弦の高さもある程度調整することができ、低すぎると弦が指板に近くなるため、弦の振動部分が指板表面に接触してしまい雑音の原因となります。

逆に高すぎると弦の張力が強すぎるためにポジションを押さえるのに力が必要となり、音がきれいに発音しなかったりして演奏性を損なうこととなります。

 

また、チューニングの際には弦が擦れあうことで摩耗しますので、鉛筆の黒鉛を擦りつけたり、ロウをつけたりして滑りをよくする工夫をするとよいです。

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【指板】

 

コントラバスの指板は通常、黒檀で作られます。中には硬めの木を削って黒く染色し表面をラッカーや漆系塗料でコートしたものも存在します。

演奏した際の良しあしについては仕上がりに左右されますのでどちらが良いということもありませんが、指板表面が弦の擦れによって削れた場合に雑音がでるのを防ぐために指板表面を削るという調整を行います。

染色指板は黒檀に対して変形を起こしやすく、それが原因で削れていなくても調整をする必要が出てくることがあります。またその作業の際に染色指板ですとコート材が刃物を傷めるために削りにくく、またそのあとに再度指板を染色する必要があるために料金がたかくなってしまう傾向があります。

 

ネックおよび指板は本体に対してある程度の角度がつけられています。

これによって弦に角度をつけてテンションを高め、発音をよくすることができます。

また、比例して駒も高くなりますので、演奏の際に表板に弦が接触するのを防ぐためでもあります。

 

写真はバイオリンのもので、ネックの経時変化を説明したものですが、参考に載せています。

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【駒(ブリッジ)】

 

駒はメープルという楓の仲間の木材を使って製作されます。

駒には弦の振動を表板に伝える役割があります。弓で弦を擦ると表板に対して横方向に弦が振動します。その振動が駒を伝っていく際に縦方向へと変換され表板が振動します。駒が特殊な形状に加工されているのはこのためです。

弦の張力がとても強いという話をしましたが、それならば駒はもっと硬い材料の方がいいのではと思われることもあると思いますが、例えば黒檀などで作った場合、硬質な物体の内部には振動が伝わりやすく、伝わる速度も速いために弦の振動に含まれる雑な音成分もすべて表板に伝えてしまうために音量は大きくなりますが音が安定せず汚い音色となってしまいます。

メープルには適度に振動を吸収する硬さがあります。

 

駒の弦溝は経年で摩耗し深くなります。弦の振動を抑えてしまい響きがわるくなりますので、定期的に削って調整する必要があります。

 

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また駒にアジャスターと呼ばれる高さを調節するためのネジを取り付けることがあります。

夏場などに湿度や気温が高くなると、表板は膨張し、アーチが膨らみます。それによって駒は押し上げられて弦は指板に対して高くなります。その結果演奏がしづらくなります。

削って調整もできますが、また冬場には逆の現象が起こるためこのようなパーツを取り付けて自身で調節できるようにします。

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【テールピース(緒留め)】

 

テールピースとは楽器の底の部分にあるエンドピンというパーツに取り付けて駒からひぱってきた弦を取り付け張るためのパーツです。

材質には黒檀やローズウッド、ツゲ、チタンなどの金属製のものもあります。

楽器ごとに振動の特性が違うため、それにあった材質を選択する必要があります。楽器が鼻にかかったような音でもう少し音に開きや欲しい場合には硬質なものが合います。逆に音が明るすぎると感じる場合にはツゲがあうでしょう。

 

またテールピースをエンドピンに引っ掛けるために弦が付いている方とは逆方向にテールコードと呼ばれるひもを取り付けます。この紐にはスチール、チタン、タングステンやガット(腸)、ナイロン、化学繊維などさまざまなものが存在します。

 

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【魂柱(サウンドポスト)】

 

魂柱とは楽器内部に立っている木製の棒でスプルースという松の仲間の木でできています。

弦のテンションによって表板にかかる圧力を支え、裏板へ表板の振動を伝える役割があります。

この位置や角度、内側への圧力によって発音が変わってきますので、長く楽器を使っていて、極端に悪くなってきた場合などに調整して改善することが出来ます。

しかし、楽器を組み立てる際には魂柱、駒、弦という順番に取り付けていきます。(厳密には弦と駒を立てるタイミングは一緒ですが)つまり魂柱をベースに駒を調整していますので、音がわるくなったからといって安易に魂柱だけをたたいたり、削ったりすることはおすすめできません。

まずは弦の種類や劣化具合やテールピースの位置、駒の位置や形状を調整してから改善がない場合に魂柱を調整すべきと考えます。また魂柱を調整した際には必ず駒なども見直すべきと考えます。

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【弦】

 

弦にはガット弦という腸をつかった単線のものもありますが、現在流通している弦はほぼ芯線に巻き線を巻いた構造のものです。

芯線にはさまざまな種類があり、構造や材質もさまざまです。金属や合成繊維のものがあります。ロープ構造といって金属線を編み込んであるものがあります。

また巻線にもクロムスチールやタングステン、ナイロンのものなどさまざまなものがあります。

また巻き線は丸形状のものと平たい線を巻いたものがあります。

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つぎはコントラバスの歴史について書きたいと思います。

ありがとうございました。

コントラバスという楽器について その1

こんにちわ

コントラバス販売専門店ベースランド

代表の下川です。

 

今回はコントラバスという楽器についてご説明いたします。

 

コントラバスとは音域の区分のひとつで、楽器としてその音域をもつ弦楽器の1つです。

 

4弦もしくは5弦の大きな楽器で、コントラバスのほかにバス、ベース、弦バス、ウッドベースダブルベースなど様々な呼び方があります。

(日本でしか使われない呼び方もあるので注意が必要です。)

略号としては『Cb』と表記します。

 

コントラバスの寸法】

コントラバスのサイズは実にさまざまなものがありますので、こちらの数値はあくまで参考程度のものです。

お使いのコントラバスが大きく異なっても、数値全体のバランスが悪くなければ問題はありません。

 

全長 182cm

この大きさは本来3/4サイズの数値です。4/4サイズは1900mm(190cm)なのですが、日本人の体格には大きすぎるために日本では3/4サイズを4/4サイズとして扱っています。以降このブログ内では3/4サイズの寸法を表記します。

ストップ長 60.5cm

ネックの付け根の表板のヘリからF孔中心の刻みまでの長さをストップ長と呼びます。

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ネック長 43.75cm

ネック長とストップ長の比率は7:10となります。

これにはある程度のばらつきがあります。本体のサイズ、ネックの長さ、弦長のバランス、それにともなう弦のテンション、振動が音の響きに関係しています。

 

コントラバスの形状(アウトライン)】

コントラバスには主に3種類の形状があります。

●ガンバシェイプ(Gamba)

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この形状はコントラバスがバイオリンやヴィオラ、チェロなどのバイオリン属とは異なるビオラ・ダ・ガンバ属の最低音楽器ヴィオローネから発展したことに由来します。

 

ビオラ・ダ・ガンバはこのような楽器です。

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●バイオリンシェイプ

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バイオリンと同じようにコーナー(C字とバウツをつなぐ写真の尖った部分のことを英語でコーナーといいます)の形状をしているのが特徴です。

 

●ブゼットシェイプ(Busseto)

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下側のコーナーが二段になっている独特の形状をしています。

1600年代にイタリアのブレシアでブゼットさんという方が最初に作ったことからこの呼び名が付きました。

 

バイオリンやチェロなど17世紀にはすでに形状が確立されていた楽器と違い、コントラバスは近年まで標準と呼ばれるものがない楽器でした。

そのため世界中にさまざまな形や大きさ、弦の数のコントラバスが存在します。

 

 

コントラバスの裏板の形状】

●フラットバック

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裏板が平らなものをこう呼びます。内側に補強のためと振動を抑えて音を安定させるためのクロスバー(補強材)と呼ばれるものがついています。)

裏板の厚みは5~7mm 補強材の厚みは15mmくらいが標準とされています。

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このクロスバーが弱いと裏板が振動しすぎてしまい、表板の振動が弱くなり音の明瞭さが失われてしまいます。

ラウンドバック(バーレス・アーチバック)

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アーチ構造によって垂直方向への強度がつよくなり、振動する部分が限定されることでクロスバーがなくても振動を安定させ、音がよくなるように工夫された形状です。

 

 

次の話は各パーツの名称と役割についてです。

それではまた次の記事で